能登半島へ
「輪島」という選択肢があったので、ふらりと能登半島へ。
冬眠ならぬ夏眠から覚め、夏の終わりに旅行へ行ってきたのでした。
ほぼ25年ぶりの輪島は、折からの雨模様でしたが、
かえって、のんびりとした気分転換になりました。
予想とは違う穏やかな日本海を眺めつつ露天風呂で和んだり。
地元の酒蔵の日本酒を飲みつつ、地元で獲れたお魚やお野菜を味わったり。
和太鼓の響きが心に響く、御陣乗太鼓を楽しんだり。
名物・輪島の朝市や街中を散策し、地魚のお鮨も堪能したり♪
しかし、能登半島へ行ったからには、伺わなければならないお店といえば、
平日の開店直後だというのに、ひっきりなしのお客さんが、
まるで時代を遡ったような佇まいの木造へ訪れていました。
七尾湾に面した七尾市は、古くから港町として栄えたそうで、
和ろうそくの材料となる木蝋やイグサがたくさん船で持ち込まれ、
いわゆる「らふそくや」もたくさんあり、賑やかな街だったようですが、
今では、七尾市内には高澤ろうそくさんだけだそうです。
店内には、和ろうそくをはじめ、お香やお線香など、色とりどり。
いくつかの和ろうそくはすでに知っていましたが、
もちろん初めて見るものも多くあり、和の雰囲気の店内で見ると、
まるで気持ちまでタイムスリップするような楽しい気分でした♪
実際に、七尾市へ足を運んで、
念願の高澤ろうそくさんに伺って良かったと思うことはいろいろあります。
一方通行の狭い路地の多い市内、和モダンな商店の佇まい、
お店の奥に開ける、ほっとするような灯篭のある庭園。
なかでも、グッときたのは、お手洗いをお借りしたときのことです。
洗面台の横に用意されていたのは、使い捨てのペーパーではなく、
ひとつずつ違う白いろうそくのイラストがプリントされた、お手製の藍色の布。
高澤ろうそくさんのお心遣いに、とても感動しました。
「和ろうそくは循環型なんです」とおっしゃっていました。
蝋も芯も自然のもの、燃え尽きた灰も自然に帰る、というわけです。
商品だけでなく、お店の細部に至るまで心配りがされていて、
地球に対する一貫した優しさに、あたたかい気持ちになりました。
今回の訪問で見つけた和ろうそくを、次回はご紹介しますね♪