読まず嫌い
私にとって、夏は休眠の時期・・・暑さに弱いからですが、
百日紅が盛大に咲き誇り、蝉が賑やかに鳴きだしていますね。
それぞれの花や虫に、それぞれの特有の季節があって、
それぞれの命に、幸多かれと願う季節です。
ところで、先日、友達からタイ料理に誘われました。
が、プーケットへバカンスに行っても、タイ料理をまったく食べなかった私。
パクチーとかトムヤムクンがとにかく苦手で、敬遠してきたのですが、
なんだか急に挑戦したくなって、ノリノリで待ち合わせることに。
というのも、そのお店は、その名くらいは私でも知っている、
タイシルクで有名なショップが展開するレストランなんですもの♪
いろいろな種類を少しずつ頂きましたが、辛くないものをチョイスすれば、
むしろ好きなメニューも多くて、食わず嫌いでした・・・反省。
そして、もうひとつの挑戦。
ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』。
ナチスの強制収容所で、過酷な生活を強いられた精神科医による名著ですが、
読まず嫌いだった私が感動したのは、このような生きるヒントでした。
「人生に何を期待するか、ではなく、人生が私から何を期待しているか」。
自分の望みばかりを追求しているとき、心のすきまに空しさを感じます。
けれど、人生を自分のすべき事(使命)を実現すべき場ととらえると、
ぐるり、と視点が変わって気持ちが楽になり、お腹の底に力が入るようです。
立派な肩書きのあるような使命でなくても、きっといいのでしょうね。
生きていることに疲れたりすることが、
それなりに長く生きていれば、誰しもあるでしょうが、
そんな、ちょっと立ち止まって考えたいとき、この本はマッチするかもしれません。
夜、そして、霧。
見通しの良くない状況は、不安をかきたてる存在です。
そのようなとき、もし小さくても光を見つけられたなら、
それが、手元のキャンドルであったなら、どれほど幸せなことでしょう。
食わず嫌い、と、読まず嫌い。
ちょっとした後悔と、訪れるタイミングの絶妙な感じが、とても似ています(笑)