ふたたびの日々
寝ても醒めても キャンドルのことばかり。
そんな日々が、ようやく、わたしの暮らしに戻ってまいりました。
「良い年に」と願いスタートしつつ、
キャンドルのことばかり、というわけにはいかなかった年余を経て。
今年に入ってしばらくして、たまたま京都御所を訪れる機会がありました。
そのとき私はひとりきり、あてもなく、俯きがちでした。
ふと足元の玉砂利に、ひとすじの線。
顔を上げると、その白く細い線は視界の先まで続いていました。
よくよく観察すると、それは御所を通り抜ける自転車の轍でした。
街のなかにあって、たくさんの人が同じように通る、まるでけもの道。
それが面白いことに、直線ではなく、
思わず笑ってしまうほど、くねくね曲がっているのでした。
これって、人生に似ているな。
誰しも真っ直ぐには進めないのだな。
そう思ったら、なんだか楽しくなってしまって、
気付けば、タルトタタンのお店を目指して歩きだしていたりして。
直前まで渋っていたにもかかわらず、
現地でしか食べられないあれやこれやに釣られて、京都へ出かけたのでした。
その日は、ちょうど旧暦の大晦日。
古い気持ちは脱ぎ捨てて、新しく歩き出すべき日だったのでしょうね。
偶然、と言い切ることもできるけれど、
すべては絶妙に仕組まれている、とも信じられるのです。
試されているような、守られているような、不思議さで。
旅行だけでなく、くねくねの人生だって、きっとそうなのでしょう。
旅行から戻り、まずは、うず高く積み上がった燃え残りのキャンドルを、
一気に溶かして、別のキャンドルに作り替えてしまいました。
そして、ふたたび始まるキャンドルのことばかりな日々。
どんなキャンドルを、作ることになるのでしょうか。