灯すこと と 作ること
今夜の灯かりは、こちら。
何を隠そう、これはリサイクル・キャンドルなのです。
どういうわけか、最近は、薄紫色に出来上がることが多いような。
リサイクル・キャンドル、という呼び名があるかどうかわかりませんが、
溶け残ったキャンドルを溶かして、新しく作ることを、
私はそのように呼んでいます。
たいていのキャンドルは、芯が燃え尽きても周りの蝋が残るものです。
大きいなもの・太いものは、なかにティーライトキャンドルを入れて、
ランタンとして、エンドレスに利用することも可能ですが、
小さいもの・細いものは使えない・・・といって、捨てるのも忍びない。
そのような小さな溶け残ったキャンドルを溜めておいて、
ガラスの器の中心に、白いありふれたキャンドルを立て、
その周りに溶かして流し込む、という作業が、
大人になってからの、私のキャンドル作りの原点。
どちらかというと、灯したいという欲求にせまられて、のことでした。
キャンドルが日常に定着すると、
以前ほどデコラティブなものではなく、シンプルなものを好むようになりました。
ですが、香りの無いキャンドルを購入しようとすると、
売り場に並ぶのは、たいていクリスマス前後と限られていますし、
いつでも購入できるシンプル過ぎるものは、ありふれていてツマラナイ・・・
そんなわけで、気に入ったキャンドルを自分で制作しようと思い立ちました。
ちょうど1年半くらい前のことでした。
先月のキャンドルクラフト展で、
たくさんの素敵な作品が並ぶなかから、
見知らぬどなたかが、私の作品を選んで持ち帰ってくださいました。
今夜も、どこかで灯してくださっているでしょうか。
そんなことを考えると、とても幸せな気持ちになり、
私のなかで、何かが大きく音を立てて変わりました。
これまで : 灯すこと > 作ること
今の私 : 灯すこと ≧ 作ること
自分のためだけに作ってきたキャンドルですが、
灯す楽しみの先に、作る喜びが付いてくるとは、予想もしていませんでした。
ですから、私のつくるキャンドルは、どうしても「灯すこと」中心。
使ってくださる方にも、眺めるより灯してほしいと願っています。